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マイホームをどこに建てようか。
家を建てる場所の判断基準はいろいろありますが、そのひとつが「実家との距離」。
同居は嫌だけれど、離れすぎているのも不安です。
私がおすすめするのは断然「近居」!
「近居」とは、30分以内の移動時間で行ける”スープの冷めない距離”に住む生活スタイルのこと。最近では「親世帯と子世帯がほどよい距離感を保てる」と、注目されている暮らしのあり方です。
義実家での同居も経験し、近居生活3年半の私が「近居」のメリット・デメリットを紹介します。
子育て世代から見た近居のメリット
子どもを預けやすい
子育て世代が近居をするメリットと言ったらまずこれでしょう!
共働き世代で、保活がなかなかうまくいかなかったり、急に子どもが発熱して保育園に預けられなくなったりしたとき、預け先があるのは助かりますよね。
ママが働いていなくても、子どもを預けたい場面はあります。おもに病院や美容院など、子どもを連れて行きづらい場所に行くときですね。
あと、幼稚園に通うようになると、「下の子を預けてきてください」と言われることがかなり増えます。そういったとき、実家が近くだと頼みやすいです。
とくに幼稚園の用事で預けないといけない場合、8時半の登園までに下の子を預けてこないといけません。家から30分以内、できれば幼稚園までの通園途中に実家があると助かります。
小学校に通うようになったら、学校帰りに直接よってくることもできるので、働きに出やすくなるなぁと思っています。
何かあったときに安心
親の病気、子どもの怪我など何かあったとき、お互いすぐに見にいけます。
私は自分の実家が隣の県にあります。隣とはいえ車で2時間ほどかかるため、なかなか気軽に帰ることはできません。
親がちょっと体調を崩していると聞くと心配になりますが、子ども2人を連れて様子を見に行くのはちょっと無理ですよね。
わが家は家族全員で交通事故にあったことがあるのですが、そのときも私の親はすぐにかけつけることができずにヤキモキしたようです。
何かあったときにすぐに様子を確認し合える、助け合える距離にいるのはやはり安心です。
同居よりは気持ちが楽
近くに住んでいることで、多少、生活を見られている感はありますが、同居よりは気持ちが楽です。
同居であれば、食事や洗濯、掃除などをどちらがやるか、どうやってやるか、いろいろとルールが必要になってきます。一日の過ごし方、ソファの座り方ひとつとっても完全に自由とは言えません。
夫とのスキンシップも気軽にはできませんし、ライフスタイルの違いもあって「まだ寝ないの?」と言われることもありましたね。
敷地内同居でも、「気がついたら親が窓から覗いていた」という話をよく聞きます。一応、庭は分かれているのに、勝手に庭の草むしりをされていた、とかね。
実家の敷地内だと、親からすると「自分の家の一部」という意識が強いのかもしれません。
近居なら家としては完全に独立していますから、そのような干渉を受けることはまずありません。
震災時の安否確認や避難がスムーズ
東日本大震災以降、近居のニーズが高まっているそうです。
震災時に近くに住んでいれば直接、安否を確認できます。どちらかの家が大きな被害を受けて住めなくなったとき、被害の小さいほうの家に避難することもできますね。防災グッズのシェアも可能です。
自治体によっては支援策もあり
最近では自治体が近居世帯に対して
- 土地の分譲価格の減額
- 住宅取得のための助成
- リフォーム費用の助成
- 引越し費用の助成
- 県営住宅の近居者優遇
などなど、支援を進めています。こういった支援を行っている場所では近居を考えてみるのもいいですよね。
子育て世代から見た近居のデメリット
親からの干渉を受ける可能性がある
同居よりマシとはいえど、近くに住んでいれば親の目は気になるところ。
さいわい、夫の両親はあまり干渉しないように気をつけてくれているようで、口出しなどはあまりしてきません。
それでも「この前、車なかったけれど、どっか行ってたの?」「庭の草むしりをしたほうがいいんじゃないかね」とポロリと言ってくることがあって、びっくりします。
私自身、義実感の前を通りかかって「あ、車ないなぁ」なんて思うこともあるので、人のことは言えないのですが、見られている感は少しあるなぁと感じています。
これを「監視」ではなく「見守り」と捉えられるかどうかは、お互いの干渉の程度や信頼感にかかってくるかもしれませんね。
近くを通りかかったからと、突然の訪問される頻度も高め。私も、子どもが「ばぁばに会いたい!」とだだをこねて、急に行くこともあるんですけどね。
ただ、新居を建ててすぐは連絡なしに来ることが多かったのですが、こちらが事前に連絡してから行くようにしたら、親側も連絡をくれることが増えました。
近所付き合いに気をつかう
実家からの距離によっては、近所付き合いも大事。共通の知り合いになりますからね。近所の人に話したことが、親につつぬけていた、なんてこともありえます。
少し離れているから大丈夫だと思っていると、近所の人が見ていて親に報告されてしまったという話も聞きます。
つながっているのは親だけではありません。知り合いになったママ友が義姉の友だちだったこともあります。家族や親戚について何か変なことを言っていなかったか、ちょっと心配しました。
遠くに住んでいるほうの親が来づらい
私は夫の実家の近くに住んでいるため、やはり自分の親が来づらいかなぁと感じることもあります。
「近くなのだから、あちらの実家にも顔を出したほうがいいかしら」と気にしてしまうみたいなんですよね。
ある程度は距離があったほうが、なかなか会えないほうの親も会いに来やすいでしょう。
親の老後やお墓への責任が出てくる
親世帯から見れば最大のメリットである「老後の心配が減ること」。子世帯からすると重く感じることもありますね。うちはお墓も実家の近くにあるため、ゆくゆくはお墓を守っていくのも自分たちであると覚悟をしています。
普段から子どもの面倒を見てもらっているし、「近くの住むのなら」と土地代も援助をしてもらっています。だから両親の老後やお墓は自分たちが守っていくのが当然という気持ちは持っています。
私としてはとくに「デメリット」と言うほどマイナスのイメージは持っていないのですが、嫌だと感じる人もいるかもしれませんね。
ただ、親に介護の必要が出てきたら、どのみち実家に通うことになるでしょう。遠方であったとしても、在宅介護やほかの兄弟に任せっきりというわけにもいきません。そうした場合、できるだけ近くにいたほうが楽なのではないかと思います。
震災時に共倒れの心配がある
震災時にメリットがあると言われる近居ですが、逆に共倒れの心配もあるかなぁと感じています。
家にダメージを受けるほどの大災害だった場合、同じ地域に住んでいればお互いに被災者です。別々の場所に住んでいれば、交通機関が復活したタイミングで避難しやすいと思います。
近居を考える際のポイント
近居にはメリットもデメリットもあります。
ただし、それは同居であっても、実家から離れて暮らしても一緒。何かしらのメリット、デメリットはあるものです。まずはそれを踏まえて、自分たちにとって本当に近居がベストなのか考えてみましょう。
どちらの実家の近くに住むかも重要。基本的には、妻の実家の近くのほうがいいと言われますね。うちの母親は自分の実家の近くに住んでいますが、やはり度々頼りにしていました。このあたりは義実家との関係にもよるでしょう。
私は夫の両親とは仲がかなりいいです。それでも同居のときには衝突をしました。その経験があるからこそ、つかず離れずの近居がちょうどいいバランスだったとも言えます。
近くに住むほうの実家との話
近くに住むということは、子世帯は子どもの預かり、親世帯は老後の世話を期待します。
あまりきっちりと決めておく必要はないと思いますが、そのあたりについてお互いがどう考えているかはそれとなく話をしておいたほうがトラブルにならずに済みます。
うちは老後の世話やお墓のことなど、自分たちが当然すべきことだと思っていましたが、親は私たちがそんな風に考えているとは思っていませんでした。伝えておいたほうがお互い気が楽になります。
遠くに住むほうの実家との話
私は嫁に出た娘なので、親もそのまま静岡で家を建てるのであろうと覚悟はしていました。
それでも、ちょっとは愛知に戻ってくることを期待していたようです。夫の仕事も転勤がありますから。まわりの家がどんどん二世帯住宅になってきて、さみしさを覚えることもあるようです。
親が子どものそばで暮らしたいと思うのは当然のこと。マイホームを建てれば、よっぽどのことがない限り、そこに永住することになります。
家を建てる場所を決めてしまう前に「あちらの実家の近くに家を建てることにしたよ」とひと言、伝えておくといいですよ。
兄弟がいる場合の話
家をどこに建てるかの話は自分たちの問題。でも、上記のように親は関わってきますし、親が関わるということは兄弟の問題にもなります。
近くに住む子どもが老後の世話をするのか。ほかの兄弟が今後、家を建てる場合はどこに建てるのか。
うちはとくに話し合いをしたわけではありませんが、家を建てるときには「うちが実家の近くに家を建てます」と兄弟に報告をするよう義父から言われました。夫が末っ子であるというのもあるかもしれません。
同居や遠くの別居よりは近居が楽
義実家で同居したこともあり、実家が微妙に遠い私としては、いまの「近居」というスタイルがいちばん楽です。
同居はどんなに仲が良くてもどこかストレスを感じます。実家が遠いと、頼れる場所がない感じがしてつらい。ワンオペの一因にもなりますね。
近居はちょうどいいんです。
- 働きに出る予定がある
- 実家との仲が良好
- 家庭や子育てに関して口出しをされたことがあまりない
- 口出しをされても不快に思ったことがあまりない
- 両親に趣味や友だちが多い
- 親の介護や墓を守ることに抵抗がない
近居にもいろいろなスタイルがあり、同じマンションの違う階に住むのも人気だとか。親世帯が老朽化した広い家を手放し、二人暮らしにちょうどいいマンションを購入するパターンもあるそうです。
近居は勤務先の都合にもよりますし、両親との相性もあります。家は人生で一番大きな買い物。後悔しないために、どのスタイルが自分の家庭にとっていいのか、一度話し合ってみるといいですね。